台所から出たゴミを堆肥に変え、土を肥やし、小麦の種をまく。
育て、実った穂を刈り取り、脱穀し、粉を挽き、パンを焼く。
そしてまた堆肥を作り、土に還す。
自分で手を動かし、一連の暮らしの作業をすることの面白さ。
その手順や手法には自然や人々の知恵に培われてきたプロセス、労、
達成感があり、自分の手を動かすことで初めて気づくことができます。
そして自然の仕組みや人との関係性、他の生き物が存在するありがたみが実感できたり。
日々の暮らしの中には本来、そんなわくわくする愉しさがいっぱい隠れています。
ソイルデザインの使命はひとつ。
人がそこに暮らすことで、その「場」がより豊かになるような
暮らしのしくみ「小さな地球」をつくること。
自然環境に負荷を与えない暮らしをするだけではなく、
人が愉しく生活しているうちにその「場」の土や植物や動物たちがもっと生き生きするような、
多様性があり循環する豊かな環境が育っていく本来の地球のしくみを暮らしの中につくることです。
もしも一世帯一世帯が小さな地球の暮らしをつくっていけば、点と点が線となり、線と線が面を作り、やがて世界はきっと本来の地球の力を取り戻し、本当の豊かさを取り戻すはずです。
暮らしを愉しむことで、世界を変える。
そのしくみを考え、デザインすることがパーマカルチャーであり、
より日本の伝統的な暮らしや文化にそったかたちでライフスタイル提案していくことが、ソイルデザインの仕事です。
新しい暮らしやお住まいをお考えの方は、不動産会社や建築士、工務店に相談する前にパーマカルチャーデザインをご依頼ください。
ご一緒にパーマカルチャーデザインで新生活の具体的なライフスタイルを考えた上で土地探しや建築士、工務店へ相談すれば、土地利用やどのような建物にするのかを決めるのかがスムースですし、実践を元にしたアイデアやアドバイスは一般の建築士さんや工務店さんには難しいところがあります。また、暮らしにあった道具や家具のデザインも手がけますのでご相談ください。
ゼミの学生だったデビット・ホルムグレンと共に体系化した、
持続可能な生活システムをつくり出すためのデザイン体系のことです。この考え方が生まれてから40年近く経つなかで
その体系は少なからずとも変化してきてはいるものと思いますが、
ソイルデザインでは基本に立ち返るという意味も含め、
ビル・モリソンが『パーマカルチャー』の「序」に記している以下の文章を支持します。パーマカルチャーというのは、人間にとって恒久的持続可能な環境を作り出すためのデザイン体系のことである。パーマカルチャーという語そのものは、パーマネント(permanent 永久の)とアグリカルチャー(agriculture 農業)をつづめたものであるが、同時にパーマネントとカルチャー(文化)の縮約形でもある。文化というものは、永続可能な農業と倫理的な土地利用という基盤なしには長くは続き得ないものだからである。パーマカルチャーには、植物、動物、建物および(水、エネルギー、コミュニケーションなどの)生産基盤などを扱う側面もある。
しかし、パーマカルチャーはたんにそれらの要素そのものだけに関わるものではない。むしろ、それらの要素をその場所の中にどのように配置するかによって、各要素間にどのような関係を作り出せるかを扱うのである。その狙いは、生態学的に健全で、経済的にも成り立つ一つのシステムを作り出すことであり、それぞれの要素にとっての必要がそこで満たされていると同時に、搾取したり、汚染したりすることのない仕組みであり、したがって長期にわたって持続しうるシステムである。パーマカルチャーは、植物や動物の固有の資質とその場所や建造物の自然的特徴を活かし、最小限の土地を利用して、都市部にも田舎にも、生命を支えていけるシステムを作り出していく。
パーマカルチャーの基盤をなすのは、自然のシステムの観察と、昔からの農業のやり方の中に含まれている知恵、そして現代の科学的・技術的知識である。それは生態学的モデルに基づいたものではあるが、パーマカルチャーは「耕された」生態系(cultivated)の、人や動物の食物を生産しうるシステムをデザイン、設計するのである。引用:『パーマカルチャー』ビル・モリソン著 川口恒夫、小祝慶子訳 農文協
信州大学農学部森林科学科にて農学研究科修士課程修了後、緑化会社にて営業・研究職に従事。
その後長野での農業経営、有機肥料会社勤務を経て2001年に独立。
土壌管理コンサルタント、パーマカルチャーデザインを主業務としたソイルデザインを立ち上げ、
愛知万博のガーデンのデザインや長崎県五島列島の限界集落再生プロジェクト等に携わる。
企業の技術顧問やNPO法人でのパーマカルチャー講師を務めながら、2007年に山梨県北杜市へ移住。八ヶ岳南麓の雑木林にあった一軒家を開墾・増改築し、“人が暮らすことでその場の自然環境・生態系がより豊かになる”パーマカルチャーデザインを自ら実践。日本文化の継承を取り入れた暮らしの仕組みを提案するパーマカルチャーデザイナーとして、国内外で活動。
暮らしのお気に入り:昭和初期の縄綯え機
好きなもの・こと:茶道、ものづくり、古道具
衛生検査の統計業務の経験を経て、2002年より都内の自然食品店に勤務。
併設のレストランにてメニュー開発から調理まで運営全般に関わり、自然食のノウハウを学ぶ。
2007年より八ヶ岳南麓に移り住み、フラワーアレンジメント・ハーブの蒸溜・保存食作り等の
ワークショップ講師、及び自然の恩恵や植物を五感で楽しむ暮らしのデザインを行う。
暮らしのお気に入り:香り
好きなもの・こと:お花(草月流 師範)、ピアノ弾き語り、手作りすること